ライブで Malagueña を演奏しましたら、ご存知の方が多く驚きました。
チックコリアの Spain に似ている、というご感想もいただきました。
Spain のようなイントロと、キメ
「 Malagueña がいちばん良かった!」と何人もの方からご感想をいただき、生演奏に向いている曲だな、と感じました。
私たちは、Hubert Laws のライブバージョンを参考に演奏しました。
- イントロに「アランフェス協奏曲」のようなルバート
- 各ソロの間に Spain のような雰囲気のユニゾン
- 印象的なリズム/ベース・パターン
ぞくっとワクワクする演出になっています。
イントロもメロディもソロも、全て
D♭ | D | D | D♭
という、コードが2つしか出てこないコード進行なのも新鮮です。
スパニッシュ8ノート・スケール
Hubert Laws のソロを聴くと、全編にわたり「スパニッシュ8ノート・スケール」を用いてアドリブしているのが分かります。
D♭ | D | D | D♭
というコード進行に対し、
C♯ , D, E, F, F♯ , G♯ , A, B( C♯ スパニッシュ8ノート・スケール)
という音階を用いて、アドリブしています。
これは、簡単に言うと
- C♯ ハーモニックマイナー・パーフェクト5thビロウ・スケール
に E の音(♯ 9th )を足したスケール - =F♯ ハーモニックマイナー・スケールに、Eの音を足したスケール
です。
これ以外に演りようを思いつかないくらい、このコード進行にピッタリなので、私も同じようにアドリブしました。
あとは半音上にアウトさせたり、D♭に対してD♭メロディックマイナー・スケールを用いたりして、展開させてみました。
ベイシーやリッチーヴァレンス、コニーフランシスも演奏している
Malagueña は、キューバのガーシュウィンと呼ばれる Ernesto Lecuona により作曲されました。
正確には、19世紀に作曲された Souvenirs d’Andalousie というソロピアノ曲にインスパイアされたメロディラインを使用しているようですが、少し歴史が入り組んでいて、よく分かりませんでした。
フラメンコギターのアレンジで演奏されることが多く、他にも様々なインストゥルメンタルアレンジが存在します。
カウントベイシーのバージョンやリッチーヴァレンスのバージョン、コニーフランシスのバージョン、どれも雰囲気が違いますが、異国情緒が強くワクワクする曲で、ライブで皆さんに最も好評だった理由が分かります。