ジャズアドリブ演奏コラム

Triste ボサノヴァに多い「解決しないツーファイブ進行」

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Triste-thumbnail

アントニオ・カルロス・ジョビンの名曲、Triste を演奏しました。

ダイアン・リーヴスのラインを取り入れました

YouTube で、ダイアン・リーヴスの Triste ライブバージョンを見つけました。
ダイアン・リーヴスのあの歌い回しが、この曲でも聴けるのかあ・・と感激。

早速耳コピをして、テーマの歌い方や、スキャットなど分析しました。
これはフルートでも映えそうだなあというラインを、自分の演奏にも取り入れてみました。

テーマの歌い方は、ダイアンリーヴスの歌い回しを、がっつりと取り入れました。
アドリブは2コーラス行い、なるべく各セクション違う色が出るように演奏しました。

この曲特有の浮遊感を出すために・・

前半16小節は、自分のアドリブアイディア+ダイアンリーヴスのスキャットを耳コピしたものを混ぜながら、フレーズよりもシンプルなラインを心がけました。後半16小節は、ビバップのフレーズを盛り込みました。

この曲特有の「ふわふわ浮遊感」が出るように、全体的に

サストライアド(各コードの中で考え得る Sus2 や Sus4 になる3つの音の組み合わせ)

のフレージングを多用しました。

アドリブ2コーラス 内訳

今回のアドリブの、各コードでのフレーズの選び方は、以下のようになりました。

・B♭△7
メジャーセブンス・フレーズ
メジャー・ペンタトニック・フレーズ

・B♭m7 | E♭7
ツーファイブ・フレーズ
B♭メロディックマイナー・フレーズ

・B♭7 | E♭△7
ドミナントセブンス・フレーズ

・Cm7 | F7 の解決するツーファイブ進行
サストライアドの、オルタード・バージョン

・G♭△7
サストライアド

・Dm7 | G7 | Cm のくだり
G7 コンディミ・スケール・パターン

・Am7♭5 D7
仕入れたばかりのマイナー・ツーファイブ・フレーズ

を演奏しました。

解決しないツーファイブ進行

この曲には「解決しないツーファイブ進行」がたくさん出てきて、一見難しいです。
ですが、実はアドリブ法はシンプル、手持ちのフレーズで演奏できてしまいます。

解決しないツーファイブ進行が B♭m7 | E♭7 だった場合、

・B♭m7 | E♭7 のドリアン・ミクソリディアン系ツーファイブ・フレーズ
=この場合、A♭メジャー・スケールの音づかいのフレーズのこと
=オルタード・テンションが入っていない、純粋な音づかいのフレーズ

・B♭メロディックマイナー・スケールでできているフレーズ
=E♭リディアン・フラットセブンス・フレーズ

で演奏できます。
(私が制作しましたフレーズ集や教則本では、マイナートニック・フレーズとして、ご紹介しています)

 

▽私の YouTube でも Triste を演奏しています

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