ジャズアドリブ演奏コラム

Chega De Saudade ボサノバのテーマの歌い方

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chegadesaudade-渋谷菜々子

完全に日本人の感覚を持つ私にとって、
Chega De Saudade はかなり鬼門でした。

ポルトガル語ネイティブは、譜割りが全く違う

Chega De Saudade は、ボサノバの中でも特に
ポルトガル語を話せなければ歌えない曲だと感じました。

ネイティブの歌手がポルトガル語で歌うのと
英語圏の歌手がポルトガル語で歌うのとでは、譜割りが全く異なるのです。
(英語版や、インスト版での演奏でも同様のことが起きていました)

どのボサノバの曲でもそうなのでしょうが、
Chega De Saudade は分かりやすく歌い方が全く違うと言えます。

シンコペーションの鬼

英語圏の歌手がジャズのリズムで歌うところを、
ポルトガル語圏の歌手は半拍、もしくはそれ以上食っていたり、もしくは半拍遅れたり、
全てがシンコペーションとなっていたり。

しかもそのシンコペーションが規則的ではなく、
初めの音は半拍早く入ったと思えば、次の音は半拍遅かったり。

日本人の私には全てがイレギュラーに感じられるのが、
ポルトガル語のネイティブの方による演奏でした。

ゆったり歌っているようで、
実はかなりリズムに手厳しいのがボサノバなのだ、と思い知らされました。

テーマをポルトガル語で研究する日々

ポルトガル語ネイティブの歌手による演奏は、ワンフレーズの括り方も違うので、
まずポルトガル語の歌詞を覚える必要があると感じました。

そこからブラジル人の歌手がポルトガル語で歌う Chega De Saudade の研究が始まったのです。

初期の頃はそれでも、一般的な西洋音楽の強拍・弱拍の概念が頭から離れず、苦労しました。

かなり練習して、ブラジルのシンコペーションが身体に染み付いてきたかも・・と感じても
ライブでは普段の自分のノリに戻ってしまって、難しい!!

しかし練習を繰り返すうち、「この曲のテーマに関しては」
ポルトガル語らしさがほんの少し出せるようになってきたと感じます。

▽普段のノリでテーマを演奏してしまったバージョン

▽ポルトガル語らしいテーマにほんの少〜しなってきたバージョン

▽テーマはこれが1番惜しいかな〜のバージョン

是非、英語圏の方の演奏とポルトガル語圏の方の演奏で、Chega De Saudade を聴き比べてみてください。
どちらも美しいのですが、私はポルトガル語ネイティブの方の掴めるようで掴めない、あの感じが大好きです。

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